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 第84号(全12ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2021年10月/No.84(通算100号)

続コロナ特集「コロナで見えた大切なこと」②
こんな学校なら行きたい
芦田嘉治(小学5年生)

  • 毎日5時間目まで(コロナで5時間授業の時、友達と遊べて楽しかったから)
  • 間違っても笑われない
  • 20分休みが30分休みになってほしい(もっと遊びたいから)
  • クラスの数がもっとほしい(人数が多い方が友達がいっぱい作れるから)
  • トランプを持っていきたい(休み時間にみんなで遊びたいのに先生に怒られるから)
  • 宿題が少なくなってほしい(今は毎日、①音読、②漢字練習1ページ、③算数ドリル1ページ、④プラスαで多すぎる。さらに自主勉強しろと言われているから)
  • 置き勉をしたい(ランドセルが重くて肩がこるから)


<母による解説>
 2020年3月、未知のウイルス感染症に対するパニックの中で、全国一斉休校が実施されました。学校再開後も、分散登校、授業時間短縮、オンライン授業の試みなどが次々に打ち出され、子どもたちは懸命に適応しようとしています。その一方で、「学校って絶対行かなきゃいけないところじゃなかったんだ」「誰かが休みと決めたら休みになるんだ」と気づいた子どもも少なくないようです。
 また、それらの新しい試みにより、災害ユートピアといえるような姿も一部で浮かび上がってきました。分散登校でクラスの人数が半分になって、担任は落ち 着いてクラス運営ができるようになり、生徒はきめ細かな指導を受けられるようになった。授業時間短縮によって、教師は事務作業に割く時間ができて過労状態が解消され、子どもは放課後の自由時間が増えた。そんな様子がちらほらと聞かれました。
 息子は一斉休校が終わった後に「登校しぶり」といわれる状態になり、週1~2回は学校を休むことが1年近く続きました。そのときに「コロナが終わっても毎日5時間授業でいいじゃん」「3か月も休校できたなら、もっと休みを多くできるんじゃないの」など、いろいろ言っていたので、どんな学校ならいいと思うかを権利委員会のパートナー通信に書くよう勧めてみました。
 息子の提案を見ると、子どもたちはもっと遊びたがっているということがよく分かります。ステイホームでたっぷり遊んだあとに、学習の遅れを取り返すための勉強漬けの毎日になり、つらかっただろうなと思います。それも大人が勝手に決めて押し付けたことでした。
 「間違っても笑われない」は、クラスが安心できる学びの場になっているかを考えさせられます。「休み時間のトランプ」というささやかな希望が認められないほどの管理は本当に必要なのでしょうか。
 学校は勉強だけする場所ではなく、友だちを作り、失敗を含むさまざまな経験をする場であり、時には子どものセーフティネットとしても機能する場だと思います。その学校の制度設計や運営において、子どもの声が聞かれ、子どもにとって一番良いことは何かが最初に考慮されるようになることを願います。

(芦田朱乃)

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