パートナー通信
2020年1月/No.80(通算96号)
「先生は友だち同士思いやろうって言うけどさ、先生は生徒のことを思いやれてるのかなぁ!?」
帰っておやつを食べ終わるなり、数えきれないほどの学校のルールについて憤る息子(小3)。この日、先生を怒らせた子がいて、ルールが1つ増えたのだそうです。というかこの日「も」。ときどきあるらしく、何度かそんな話を聞きました。
このときは全校集会で校長先生や来賓のお話の最中にしゃべったりふざけたりしていた子がいて、その子たちが怒られた他に、周囲の子も「注意しなかったら同罪」と厳しく言われたそうです。
「1、2年のときは日直だけが注意するルールだったのに、なんで勝手に変えるの?」
「今日初めて言われたんだから知らないし。」
「前に他の子を注意したらその子にいじめられたから、注意するの嫌だもん。」
子どもにもいろいろ理由があります。そして――
「先生のほうこそルールを決めるときに子どもの気持ちを考えてないよね!」
翌日、「怒りが収まらないから学校に行きたくない」と言い、学校を2日間休みました。
他にも変なルールがあると息子が挙げたのは「廊下の左側を歩く」です。 「『廊下を走らない』はわかるよ。ぶつかったら危ないもん。でもさ、歩く速さなら右でも左でもぶつからないじゃん。それなのに変なルールがあるから、気になって楽しくない。」
まさか今から車を運転するときの準備でもあるまいに、必要性がよくわかりません。そんなルールのせいで友だちとの時間を楽しめないのは問題です。先生だってそんなことを注意して、教師としてやりがいを感じるとは思えません。
ルールを守れない子に対する息子の言動も気になります。1年生のころはクラスメイトが怒られると、
「かわいそうだから先生に怒られる前に教えてあげよう。」 などと言っていましたが、次第に――
「ルールはわかってるのになんで守らないんだろう。」
そして最近ついに――
「あいつが先生を怒らせるからオレも怒られる。」
先生が言う「友だち同士思いやろう」と反対のことが起きています。
息子だけでなく他の子もきっと居心地悪く感じていることでしょう。もっと楽しく過ごせる学校を保障してあげなければ。その中にはルール決定への参加もあるのではないでしょうか。
国連子どもの権利委員会も、「子どもに関する個々の事案において、関係する子どもの参加を義務付け」(日本政府第4・5回統合報告審査最終所見パラグラフ19)、「子どもに影響するすべての事柄について、その意見を自由に表明する権利を確保し、威かしと罰から子どもを守り、子供の意見が適切に重視されることを確保するよう締約国に要請」(同パラグラフ22)しています。
ルールは誰のためにあり、何のために守るのか。先生の都合や押し付けになっていないか、振り返ってみてはもらえないかと担任に伝えました。
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