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 第76号(全12ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2019年1月 /No.76(通算92号)


 世話人会だより 

「おかあさんのいいつけをまもるから   
    ゆるして ゆるしてください」
河嵜 清松 

 船戸結愛(ゆあ)ちゃんが、ママに叱られ食事も与えられずに、暖房もない冷たい部屋に閉じ込められていた。当時5歳の幼児が、必死に覚えたひらがなで、たどたどしく書いた文章に、彼女はどれほどに切ない思いをこめていたか・・・。
 去年の3月2日、東京都目黒区で結愛ちゃんは、両親の虐待を受けて死亡した。
 1月25日、母親とともに香川県から転入し、30日に品川児相が香川県児相からケースを受け取り、虐待と判断していた。
 2月9日になって品川児相が家庭訪問したが、結愛ちゃんを確認できず。(厚労省指針では、原則48時間以内に児童の安全確認を求めている。)
 20日、目黒区が小学校説明会で、結愛ちゃんを確認できなかったのに、虐待ケース移管を受理した品川児相で虐待リスクを軽視したのか、再度の訪問(確認)をしないまま、3月2日に結愛ちゃんは衰弱死してしまった。体重は平均値の半分も無かったという。
 この事件が明らかになったいま、関係機関は、検証報告書を作成し対策整備に取り組んでいる。

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 虐待されている子どもは訴えられず
   周囲の大人も気づかないのは なぜ?

 保育所・幼稚園に通っている子は大丈夫だが、まれに体のアザなど見つかっても、すぐ対応してくれる。
 よく公園や遊園地に親子連れでいれば、安心していられる。周囲に大人の温かい目があるから・・・。
 問題なのは、近所づきあいを全然しない・・・ 子ども会にも入らず、定期健診も受けていない家庭の子(居るか居ないか分からない)。
 近所で誰にも知られていない時は要注意。
 プライバシーを気にして、声かけも遠慮。 
だが、確かに居るはずだと思ったら、明るく声かけしてみることだ。親の反応を見れば何か気付くはずだ。そして、近くの民生児童委員に話して、きっちり訪問面接してもらって無事を確認してもらうことが大事。民生児童委員には職権として確認してもらえる。その先は必要に応じて児童相談所へ通告する場合も生じるであろう。
 この行動には勇気がいる。それを支えてくれるのは、「子どもの権利条約の第3条の1:子どもに関わるすべての措置をとるに当たっては、公的もしくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局または立法機関のいずれによって行われるものであっても、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されるものとする」(下線筆者)である。
 この精神をすべての大人が深く理解して、多少の困難や不都合なことがあっても、子どもの最善の利益になるものであれば、なすべき行動を勇気を出して行うようにしよう。
 周りにいる子どもたちに、温かい目を向け、見えない子どもにも心かよわせていきたいものである。
 群馬子どもの権利委員会の会員は、見えないけれど居るかもしれない「被虐待児」のことをいつも念頭に置いて、子どもたちと交わってほしい。子どもは可愛いものです。
 それにしても、裁判にかけられている母親は、結愛ちゃんが書いたあの文章の紙をなぜ破らずに持っていたのか?母親の気持ちを聞いてみたいものである。母と子は、切っても切れない何かがあるのか?


『子どものけんりカルタ』:
紀伊国屋書店・けやきウォーク前橋店にて好評発売中


 昨年末、久々に紀伊国屋書店の児童書売り場へ出向きました。沢山の子どもの本と共にさまざまな「カルタ」のコーナーがありました。眺めているうちに、このコーナーにぜひ『子どものけんりカルタ』を!!と強く思いました。アポなし、突然の失礼、無礼をご容赦願いつつ、「当店でお取り扱いいただけるか」と伺いました。とても温厚な雰囲気でいらっしゃる店長さんは「検討します」と言われ、後日、OKの快諾をいただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。頒価を税込み1000円で扱ってくださることになりました。
 会員の皆さんはじめ多くの子どもたちのもとへお届けできることを願っております。ぜひお出かけいただいてお買い求めくださいますようお願いいたします、お身近の方がたにお話、ご紹介いただければ幸いです。
  子どもが子どもであることを心底応援するカルタです。(小林 美代子)

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