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 第76号(全12ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2019年1月 /No.76(通算92号)

【地域の活動紹介
児童館へ いらっしゃい
ふじみじどうかん & (分館)じどうかんアリス
特定非営利活動法人すみれの会理事長 山本洋二
はじめに
子どもの写真
 当法人すみれの会は児童館の運営を目的に12年前、青少年育成に関する各種団体のメンバーらが集まり設立した組織です。現在、前橋市には7つの児童館がありますが、このうちの2か所を『こどもたちの未来のために』のスローガンを掲げて、前橋市富士見町においてすみれの会の理事7名が管理運営をしています。
 富士見町は上毛カルタに詠われる船津伝次平の生地であり、赤城南麓の自然豊かな農業の盛んな地域で、かつては養蚕が盛んで『赤城ホウレンソウ』など冬場の間作も生活を潤していました。
 近年市街地などからの転入者も数多く、昨今、多くのこどもたちは激動の社会環境の変化に戸惑いながら、いかに適応するか模索しながら今を生きています。大人たちが育った昔の遊びは忘れ去られ、大人た ちが体験した 懐かしい思い 出は年月と共 に薄れ、こど もたちの遊び は様変わりし ています。
 児童館はもとより児童厚生施設であり、こどもの居場所づくりを基本に、安心・安全・自由な空間を目指しています。科学技術の発達に伴い、便利な豊かな世の中に生まれこどもたちの生活も多種多様化していますが、社会生活を営む上で「挨拶をする。人、物、行為、自然の恵みに感謝をする」が当たり前に出来ないケースが増えつつあります。私たちはここを重要視し大切にしています。
子どもの写真  幼いこどもたちは、見ています。話をきいています。大人の行動・考え・発言が必ずこどもたちに伝わります。スタッフ一同、折に触れ意見交換を行い、研修を積み職務に専念しています。特にこどもたちの問題行動等に対して叱咤、命令、指導、指示などを禁句とし、丁寧な提案型の発言を心がけています。こども自身が考えて納得することが肝要と思います。
 当児童館では参加者主導型の事業を重要視しています。具体的には、年間通して毎月1~2回のイベントを行っています。4月を皮切りに入学を祝う会、お花見会、夏祭り、ディキャンプ、ハロウィン、お月見の会、焼き芋体験、クリスマス会、御餅つき、節分など季節に応じて開催しております。
 また、児童館の運営には以下の基本方針を持ってこどもたちへの対応を行っています。

じどうかんのスローガン
「児童館へいらっしゃい」

居るところがなかったら
     児童館へいらっしゃい
やることがなかったら
     児童館へいらっしゃい
話せる人がいなかったら
     児童館へいらっしゃい
わかってくれる人がいなかったら
     児童館へいらっしゃい
がまんできないほどしんどくなる前に
     児童館へいらっしゃい


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児童館の設備について
 サッカーゴール・エアポリン・バスケット・卓球台、ピアノ、幼児用ののりもの(三輪車・自動車・一輪車)、おもちゃ(幼児用・ままごと・つみき)、遊具(すべり台・ブランコ・ジャングルジム)、書籍類(各種参考書・辞典類・文学全集・絵本・紙芝居・小学生用本・漫画類)、視聴覚用映写物(16mmフィルム・DVD・VHS) や囲碁・ぬりえ・チェス・将棋を保有しています。

イベント事業の流れ
子どもの写真
  1. ① 参加費の集金や受付名簿の確認を参 加者が担当(スタッフも可)
  2. ② 参加者全員で打ち合わせの時間を設 け準備をする。
  3. ③ 作業開始、主役はこどもたち、はじめての作業に戸惑う親子には注意せずポイントのみ伝授。見守りを第一に、時間がかかってもこどもたちは創意工夫し体験を積む。
  4. ④ 上手下手よりプロセスを大事にする
  5. ⑤ 食後の後片付けを全員で行う。(エプ ロン、手拭、食器類など各自持参)
 すみれの会の 本社と併設して いる「ふじみじ どうかん」は幼 児園(無認可幼 稚園)の跡地を 利用しています。 広大な庭を抱え小暮神社と隣接し屋外遊具は休館日でも開放し近隣のこどもたちの公園としても親しまれています。
 「じどうかんアリス」は小規模児童館にも満たない分館ですが、親子遊びに加え、特に保護者(母親)の利用者同士の交流が期待でき、育児問題、仕事の話など和やかな雰囲気に包まれゆったりした時間の流れに浸れるところとなっています。ここ1~2年全国的に「こども食堂」が急増している中、児童館事業の1つとして『夜の料理教室』の名称のもと、孤食児やコンビニ弁当派を対象に平成30年9月より実施しています。料理に興味関心のあるこどもも交えて月2回18時から20時に行います。皆で作って皆で食べることを毎回楽しみにしている様子がうかがえます。

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現在の児童館の取り組みと考え方
◆主役はこども
子どもの写真
 主役はこどもです。こどもたちが初めてやる事に注意をする言葉は必要あり ません。言葉だけで言い聞かせるのではなく見守りを第一にして、大人がやれば30分で済む事でもこどもたちには試行錯誤をさせて自分で成し遂げる達成感を1時間でも2時間でもかけてやらせてやることです。「ほら出来た。それでいいんだよ」と褒めることです。これからたくさんの実体験を重ねさせて経験値を上げて自分の知識の糧にしてもらいたいものです。こどもたちに物事を進めていくのに失敗の言葉はありません。目標を達成するまで、こどもたちに集中させることです。私たちの役目は成功などと言う言葉ではなく目標にたどりつくプロセスをいつも意識していくことが大切であると教え導くことが必要と私たちは考えます。
◆どうしたら"出来る"か
 私たちの児童館は小規模児童館に分類されています。利用定員に限りがあります。できればたくさんのこどもたちに参加してい頂きたいと思っています。
子どもの写真   そのために広い建物の一時借用やどうしたら目標の事業をやり遂げることが出来るかを常に考えるようにしています。「雨が降ったら出来ない無理がある。」「こどもがけがしたらどうする。近所に迷惑がかかる から」といったマ イナスの考え方か らでは結論が導き 出せません。どう したら出来るかを 常に考えています。

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◆ゼロから始まる
子どもの写真  これからもいつもこどもの目線に気を配りこどものやることは0から始まることだと思いやり、こどもの無限な吸収力、善悪の判断と親とのきずな・友達とのきずな・自身の能力を信じるようにと導いていくことを大切にしたいと感じています。
 私たち大人は、おのれの背中を自慢できるよう努力したいものです。人のふり見て我がふり直せと申しますが、自信のない行動をこどもの目は的確にとらえています。こどもは大人を常に見ています。嘘や間違った言葉は後で取り返しがつきません。難しい言葉の使い方を常に意識しています。例えば「その(おもちゃの)自動車は駐車場においてください。」とか3歳・4歳のこどもにうっかり言ってしまうとこどもには理解できません。もっと砕いた言葉にしたいものです。こどもは大人たちが40年・50年経験したことを押し付けてもすぐには理解できません。そのころを知りません。もっとこどもの目線に下げるべきだと感じます。
子どもの写真  こどもを一人の人間として接しどんなに幼くても人としての権利を尊重することが大切かと思います。頭ごなしに怒鳴ったり力で押さえつけたり大人の権力で権利を主張したりすると将来の壁になったり また、幼い頃の怖い刺激はトラウマになりがちになります。大人はみなこどもだった頃をもっと思い出していただきたいと感じます。大人の昔のすべての経験を押し付けないでほしいです。「昔は、こうだった。俺の時代は、こうだった」とか。時代は変化しながら進んでいます。こどもたちは未来へ進んでいます。昔のことをすべて吸収する必要はないと思っています。楽しい経験を多く持てれば未来の糧になれば良いのではと思っています。「老いては、子に従え。」こどもたちを大人にするには時期を経たら巣立ちさせることです。いつまでもこどもだからと言って親の愛と言う文字で縛り付けないようにしていただきたいものです。こどもと24時間一緒にはいられません。こどものすべてを知ろうと思わず知らず知らずに大人になったなと感じていただきたいと思っています。

子どもの写真  今後、すみれの会は、今までやってきた事を検証しながら時代の変化に順応しこどもたちの現状を常に把握しながら「こどもたちの未来のために」を切磋琢磨し精進していく考えです。生きている限りこどもがいなくなるわけではありません。私もこどもだったころがあります。良き日がありました。年を重ねると懐かしむ事はありますが何かをする気力が減って来ます。また、こどもに解らない漢字熟語・英語に言い換えて説明する事が多くあります。一歩踏みとどまって余裕を持った行動・発言をしていきたいと思っています。大げさですがこどもは世界の人類のまして日本の宝です。一人で生きていける力を備えさせてやってほしいものです。みんな一人で生まれて一人で死んでいくものです。
 誰もが強く楽しく明るく優しく元気で生きて行きたいものだと感じます。最後まで読んでいただき感謝申し上げます。また、この機会に私たちに賛同して頂ける方がおりましたら幸いに存じます。皆様の今後のご活躍をお祈りして終わりとさせていただきます。

特定非営利活動法人すみれの会
URL : https://gfjidoukan.jimdo.com/
〒371-0103 前橋市富士見町小暮814
℡ 027-288-2898 〕


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