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 第86号(全12ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2022年4月/No.86(通算102号)

反戦の共同声明
子どものために
一切の武力の停止を

子どもの願い
 おとなの人にお願いがあります。子どものために世界中のぼうりょくを今すぐやめてください。ぼくたちわたしたちの「いつも」を返してください。
 224日の夕飯はいつもとちがいました。お母さんは笑わないし、「今日は学校どうだった?」と聞いてくれませんでした。お父さんが帰ってきてから、二人でむずかしい顔で話をしていました。
 テレビでは、こわれた建物やにげている人の動画がいっぱい流れています。お母さんに「こわいよ」って言ったら、「遠い国のことだから日本はだいじょうぶ」って言ってたけど、すごく心配です。
 友だちが学校で「プーチンプーチンプッチンプリン」と言ってたときはおもしろかったけど、戦争の話はやっぱりイヤです。
 ロシアやウクライナの子は、お父さんがたたかいに行っちゃってかわいそうです。ウクライナの子はおうちも学校もなくなっちゃって、友だちとも遊べなくて、もっとかわいそうです。ケガをしたり、殺されちゃった子どももいるって聞きました。何もしてないのに、そんなのひどいです。ほかの国にもかわいそうな子どもがいるって知りました。
 世界中の子どもが、おうちで、家族みんなで楽しくごはんを食べられるように、友だちと遊んで勉強できるように、こわい思いや心配をしなくていいように、たたかいをやめてください。子どもからのお願いです。

暴力を見せることも暴力
 暴力をふるう姿を子どもに見せることは、心を傷つける暴力です。保護者がそのような姿を子どもに見せれば「面前DV」という虐待になります。ロシア政府はウクライナへの武力侵攻により、ウクライナだけでなく世界中の子どもたちを傷つけました。
 暴力を見せる「暴力」ではメディアも一緒です。ショッキングな映像を、子どもが見る可能性のある朝や夕方の時間帯に流し続けています。真実を伝えることと生々しい映像を放送することはイコールではないはずです。

子どもの最善の利益を
 冒頭の「子どもの願い」は、私たちの身近にいる子ども本人やその保護者から聞いた実際の声をまとめたものです。ふだんどおりに見えたとしても、子どもたちは戦争のことで心を痛めています。感受性の強い若い心にとって戦争の恐怖は我が事です。
 子どもたちが再び安心してくらせるようにするために、私たちは、あらゆる兵器の使用、一切の武力の行使を直ちに停止し、平和的に解決する道を探ることを強く求めます。
 互いに銃口を突きつけ合うことが平和につながるなどということは、胸をはって子どもに説明できることではありません。兵器や武力は、たくさんの人の命を脅かすだけでなく、子どもたちに手渡すはずの自然や文化、豊かな未来まで壊してしまいます。
 世界中の子どもたちの現在と未来のためにできる最善のことについて、子どもの声を聞き、一緒に考え、実行することを、すべての大人に向けて訴えます。平和な世界を平和なままに守っていくために、今、自分に何ができるかを、まずは身近な人と話してみてください。

2022年4月1日

群馬子どもの権利委員会
少年少女センター全国ネットワーク
NPO法人東京少年少女センター
福岡ひまわり団
少年少女組織を育てる大阪センター
ぐんま少年少女センター
少年少女組織を育てる埼玉北部センター
増山均(早稲田大学名誉教授)
神代洋一(明星大学教育学部非常勤講師)
善本光
中村真純(ひだまり舎)
山下雅彦(東海大学名誉教授)
青山紀子
後藤友子(めぐろ遊び場づくりの会)
芦田朱乃(自営業)
眞利子律子
中村えり子
静岡少年少女センター
西廣平
糀谷陽子(子どもの権利・教育・文化 全国センター、事務局長)
西きよ美
見城昌平
佐久間順子
渡辺晶子(日本ストライカー株式会社、社長室EA)
中田夕紀
内山悟未
加藤彰男(群馬子どもの権利委員会、代表)
石原亜衣
渋谷嘉一(静岡少年少女センター)
少年少女組織を育てるどろんこの会、運営委員会・指導員一同
しみずまに
石田隆(子ども会・少年団を育てる左京センター、代表)
NPO法人あいち少年少女センター
大野みどり
小島祐輔
田中友里(Aki行政書士事務所)
有限会社アジルアーツ スマイルゲート事業部
津田幸介
原田修介
伊達信晴
水野こうすけ(NPO法人あいち少年少女センター、指導員/副理事長)
少年組織を育てる埼玉センター
Circular In-finity
深田百合子(静岡少年少女センター)
丹羽農
あいおい子ども食堂
京都少年少女センター
(他14名)

≪共同声明ができるまで≫
 ロシアによる侵攻開始後、最初の定例世話人会が開かれた3月10日。群馬子どもの権利委員会として、武力侵攻に反対する意見表明を行おうと決まりました。
 その週のうちに、少年少女センター全国ネットワークの方と話す機会があり、「子どものために戦争を止めてほしい」「テレビで悲惨な映像を流し続けるのは子どもを傷つける」と語り合いました。お互いに声明を出す予定があることを知り、同じ気持ちならぜひ一緒にと、共同声明作りがスタートしました。権利委員会で素案を書き、全国の少年少女センターの方々とメールで何度も意見交換をして、18日に声明が完成しました。
 これをそれぞれの組織のホームページで公開したところ、賛同の声がたくさん寄せられ、ならばと賛同者を募るフォームをオンラインで公開したところ、3月31日までに59の個人・団体から賛同が集まり、これをもって正式な共同声明として再度発表しました。
 声明は英語版も作り、ロシア・ウクライナをはじめとする各国大使館に送り、報道機関にも送りました。

*****

動物会議表紙  エーリッヒ・ケストナーの絵本『どうぶつ会議』(1954年発行)では、動物たちが人間の戦争をなげき、「子どもたちのために」をスローガンに平和実現に向けて奮闘します。人間も「子どものために」で団結できたら世界はどんなに平和になるだろうかと考えさせられます。


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