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 第85号(全8ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2022年1月/No.85(通算101号)


シリーズ「『第4・5回最終所見』を読み解く」③
G.障害、基礎的健康および福祉(その2)
清水 秀俊

 前回の報告で記述できなかった「勧告」や「要請」について述べます。

【障害を持つ子ども】
 はじめに、次の勧告がされています。 ○障害の対する人権を基礎とするアプ ローチを採用すること、障害を持つ子どものインクルージョンのための包括的な戦略を確立すること。  そのあと、以下のような勧告が6点されています。
(a)障害を持つ子どものための適切な政策とプログラムの整備に必要な障害を診断する効果的なシステムを発展させること。
(e)障害を持つ子どもにかかわって働く専門的スタッフを養成し、その数を増やすこと。


【健康および健康サービス】
 次のような勧告が2点されています。
(a)低体重出生児の比率が高いことの原因を分析し、出産体重を効果的に増加させ、乳幼児、子どもおよび母親の栄養状態を効果的に向上させるためのエビデンスに基づいた措置を導入すること。


【生命の誕生に関わる健康およびメンタル・ヘルス】
 次のような「懸念」が4点、「要請」が5点されています。
《懸念》
(c)思春期の子どものメンタル・ヘルスへの関心の不十分さ、メンタル・ヘルスに対する社会における否定的な態度、小児精神科医とその他の専門家の不足。
(d)注意欠如・多動症による行動障害と診断される子どもが増加し、社会的要因および非医療的措置が無視されながら、精神刺激薬の投与による処置がなされていること。
《要請》
(a)思春期の子どもの性と生命の誕生に関わる健康に関する包括的な政策を策定し、性と生命の誕生に関わる健康が、学校の義務的な教育課程として、一貫して実施されるようにすること。
(e)注意欠如・多動症との診断が徹底的に検証されるようにすること。薬の処方が、個別的評価を経てはじめて、最終的手段として用いられるようにすること。


【環境的健康】
 東京電力原子力事故により被災した子どもに関わって、次のような勧告が7点にわたってされています。
(a)避難指示区域における被曝が子どもに対するリスク要因に関して国際的に受け入れられた知見と矛盾がないことを再確認すること。
(f)被曝のリスクおよび、子どもが被曝に対してより感受性が強いことについての正確な情報を、教科書および教材を通じて提供すること。

【気候変動の子どもの権利への影響】
 次のような勧告が6点されています。
(a)気候変動および災害のリスク・マネジメントに取り組むにあたり、子どもの特別な脆弱性と特別なニーズ、および、子どもの意見が考慮されるようにすること。


【生活水準】
 次のような勧告が3点されています。
(b)子どもの貧困および社会的排除を減少させるための戦略と措置を強化するために、家庭および子どもを対象とする聞き取りを行うこと。


◎感想
 「障害者基本法」、「障害者差別解消法」等々の法的整備は進んできたが、共生社会の実現に向けて、まだまだ課題は山積していると強く感じています。


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