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 第60号(全12ページ)からの転載です。

パートナー通信

パートナー通信タイトル
2015年1月 /No.60(通算76号)

『パートナー通信』60号 &
子どもの権利条約批准20周年記念特集 ①


私と「子どもの権利条約」

 「60号&20周年」を記念して、寄稿をお願いしました。これまでの活動をふりかえり、また、今を考えながら、私たちの活動の未来を展望してゆきたいと思います。
「ひだまりマルシェと世話人会」
今村井子

はじめに・・・
 NPO法人という未知の分野に飛び込んで法人運営をスタートさせた一年は、あっという間の、文字通りひたすら走り抜けた一年でした。
 そして、最初の一周年を無事迎え、はじめの一歩をようやく刻めたことを喜びながら、この一年を子どもの権利委員会の世話人として振り返ってみようと思います。

「テクノロジー」と「リアル」
たぶん、これまでの人類の歴史で、ここまで高度に発達した情報化社会を経験しているのは、今この時代であることは間違いないだろうと思います。この高度に発達した情報化社会での「つながる」方法は、テクノロジーを駆使し、時を縦横無尽に行き交い、多様なつながる形を生み出したともいえるでしょう。顔と顔をつきあわせなくても、パソコン、携帯電話やタブレット端末を使うことができれば、チャットにEメール、SNSなど、誰もがいつでもどこでもつながることができます。今年の流行語で言えば「リア充」(リアルな世界で充実していること)でなくても、ネットの世界で自分の居場所を見つけられるともいえる時代になってきました。
 でも、NPOを立ち上げる活動を通して、改めて気づかされたことは、むしろこのテクノロジー時代とは逆行した実感でした。ネットの世界でなく、リアルな世界で「動き続けること」の大切さ。直接会い、話し、伝える努力をすることの新たな意味を考えさせられた一年でした。自分や相手の「表情」「声」「思い」を直接届ける意味、受け取る意味。「会って話すこと」でより理解できることの多さ、知ることの多さ。
 きっと、ネットなどなかった時代の大昔のリアルな世界で普通に行われていた、五感すべてを使った交流を見直すきっかけになったといえるのかもしれません。


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「つながりあう 時間の質 ~世話人会でのリアル~」
 認知症予防でも、いかに「人と会い、おしゃべりする」かが予防のキーポイントだと先日聞き、なるほどと思いました。やはりそこにある「リアルな時間と会話」が人間らしさを生み出し、結果的に認知症を予防することになるのだと思いました。
 テクノロジーの発展と共に改めて人間のリアルに過ごす時間の質が問われてくるように感じます。私自身が、この「権利委員会の世話人会」で助けられたのは、何よりリアルな皆さんからの「親身なアドバイス」「率直な意見」「応援メッセージ」でした。この一年、ひだまりマルシェのありようについて悩みや思い巡らせる日々を過ごしていましたが、月一回の世話人会で「子どもたちの権利」について話し合うことで考えが整理されたり、私なりの次への課題をいつももらっていました。
 たぶんこれは私にとっての「リアルな瞬間」で、それがあったから一年間前を向けたのだと思います。「思い交わす」方法は様々あっても、直接、動き、会い、話し、つながることの尊さを思いました。だからこそ、失敗もすべて自分の実になったと思え、心からわかりあえる時間を共有することもできるのだと思います。
 「子どもの権利委員会」の世話人会は、私にとって大事なリアルの場であり、勇気を持って生きることを教えてくれる大切な場でありました。きっとこれからも私にとって世話人会はリアルの場であり続けるでしょう。そして自分自身も、世話人会に臨む上で、様々な場面で動き続けたいと思っています。


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