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2011年度定期総会


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日時:2011年 5月21日(土)

T 2010年度 活動の報告

(略)

U 2010年度 活動のまとめ

 
  1. 国連子どもの権利委員会「第3回最終所見・勧告」の学習と普及
  2. 県内市町村「子どもの権利アンケート」と自治体訪問
  3. 「なくそう子どもの貧困 まもろう子どもの権利」集会
  4. 「第19回全国教育研究交流集会in群馬」
  5. 「群馬保育のつどい」
  6. 地域の活動との交流
  7. 『パートナー通信』の発行、会員拡大など
  8. 取り組みの弱かったこと、取り組めなかったこと

1 国連子どもの権利委員会「第3回最終所見・勧告」の学習と普及

  • 「第3回最終所見・勧告」採択:条約批准後3回目の政府報告書は2006年に国連に提出するのが国際的な約束であったにもかかわらず、日本政府は2年も遅れて2008年4月22日に提出しました。
     「第3回市民・NGO報告書をつくる会(つくる会)」は全国から提出された「基礎報告書」を基に、2009年11月22日「統一報告書」を採択し、その「サマリー版」と合わせて国連に提出しました。
     2010年2月3日国連子どもの権利委員会(CRC)は日本政府報告についての予備審査を行い、「つくる会」の代表団等が市民の立場からのプレゼンテーションを行いました。10年5月27・28日CRCは日本政府報告についての本審査を行い、同年6月11日に日本政府に対する「第3回最終所見・勧告」を採択しました。なお、本審査の前日5月26日には「子どもの声を国連に届ける会」の子どもたちがCRCの委員を前に直接プレゼンテーションを行いました。
     「第3回最終所見・勧告」は91項目にわたって、これまで2度の「勧告」に対して日本政府がこれを誠実に受け入れないで来たことについて、一つ一つきびしく懸念を表明し、是正をするよう勧告しています。(希望の方には「第3回最終所見・勧告」のテキストをコピーして送ります。)
  • DCI、「つくる会」の検討会:「つくる会」は10年6月19日「第3回最終所見を読み解く会」、11月23日「最終所見検討総会・その1」、11年1月9日「最終所見検討総会・その2」を開催して、今回の最終所見をどのように捉えるべきか、それを基礎にしてどのようなフォロ−アップ活動をするべきかの討論を深めました。また、10年8月には、今回の日本政府報告審査の日本担当官として「第3回最終所見の原案」を作成したロタール・クラップマン委員が来日し、東京、大阪、仙台で「語る会」に参加されました。(希望の方にはクラップマン委員のスピーチテキストをコピーして送ります。)

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  • 世話人会を中心にした「公開学習会」と『パートナー通信』での報告:国連子どもの権利委員会が「第3回最終所見・勧告」を通して、日本の子どもたちの状況をどう捉え、日本政府にどのような勧告をしたのか。また、私たちが「基礎報告書」や「統一報告書」で訴えてきたことが「勧告」にどのように反映されているかを学ぶ必要があります。DCIや「つくる会」を通じて入手した資料をもとに、10年8月から世話人会を中心にした「公開学習会」を開催しました。
     1回目は、子どもの最善の利益を保障するための「国内行動計画」についてです。「勧告」では、中央政府、地方および地域レベルでの効果的な調整の仕組みの確立を求め、同時に私たちのような市民(民間)組織との共同体制の確立も求めています。これまでの政府や地方自治体の動きの悪さを見ると、市民社会(組織)からの働きかけの重要性がよく分かります。特に、様々な格差が深刻化している日本において、「子どもの不平等および格差に対応する子どもの権利を基礎にした包括的なもの」「子どもが発達し、学習し、責任ある生活に備える機会に影響を与える要素に基づく格差に対応するもの」という指摘は重要です。
     2回目は、「資源の配分」つまり政府や自治体の予算配分についてです。「勧告」は「子どもの権利の視点から中央および自治体レベルにおける予算を精査し」、「子どもの権利の優先性を反映した戦略的な予算線を設定すること」を求め、また、政策の成果を計る「評価制度を確立」し、あらゆるレベルで「市民社会(組織)および子どもとの協議を確保すること」を求めています。真に子どもの幸福と権利に配慮した一貫性のある政策がなく、政策を裏付ける予算措置もなされていない不備を突いたものです。

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     3回目は、「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命、生存および発達に関する権利」「子どもの意見の尊重」についてです。「勧告」の根底にある考え方は、子どもを「大人が考える健全育成の対象」ではなく、「権利の主体として生きる」存在と認めて尊重することと言えるでしょう。
    「差別の禁止」に関しては、少数民族の子どもや日本国籍のない子ども、移民労働者や難民の子ども、障害児などへの社会的差別をなくし、防止することを求めています。また、47教育基本法の男女平等の促進を定めていた第5条が廃止されたことへの懸念が重ねて表明されました。
    「子どもの最善の利益」に関しては、「子どものケアまたは保護に責任を有する施設(保育園、学校、児童相談所など子どもに関わるあらゆる機関を指す)が、そのスタッフや提供するサービスにおいて質・量ともに不足している」として、「基準を開発し、かつ規定するための効果的な措置を取ること」を求めています。
    「生命、生存および発達に関する権利」に関しては、子どもの自死の問題が取り上げられて、「子どもの自死」と自死未遂の「危険要因に関する研究が欠如している」との懸念が表明され、「危険因子に関する研究」「予防措置」「心理相談」「子どもの指導に関する仕組みが困難な状況にある子どもにさらなるストレスを与えないようにすること」などを求めています。
    「子どもの意見の尊重」に関しては、「公的な規則が年齢を高く設定している」「福祉サービスにおいて子どもの意見がほとんど考慮されない」「学校においては、子どもの意見が考慮される領域が限定され、政策決定過程においては子どもおよびその意見が省みられることはめったに無い」との懸念が表明され、これは「子どもを、権利を持つ人間として尊重しない伝統的な見方が、子どもの意見に対する考慮を著しく制約している」と厳しい分析をしています。私たち群馬子どもの権利委員会は、「子どもの意見表明権」を最も重要な権利、子どもの権利条約の根幹をなす権利と位置づけて、いろいろな活動を展開して来ています。とりわけ子どもたちの姿や表現を「まるごと受け止め、それに応えていくこと」が、「子どもたち自らが人間としての成長・発達、自立へと動き出していく」ことになるのだと、さまざまなすばらしい実践から学んでいます。
    *この3回の学習会の要点は『パートナー通信』(No.434445)で会員の皆さんに報告しました。「第3回最終所見・勧告」にはまだまだ重要な問題提起がたくさんあります。公開学習会の形で多くの会員の皆さんと共にさらに学びを継続して深めて行く必要があります。

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